陰の王子様
…男の人に物をあげるなんて、したことない気がする。
騎士団にいた頃はそんなことしなかった。
この人は騎士なのだろうか…。
……………。
え、まさか、この人ものすごい上の立場の人なんじゃ……。
私が書いたのは、確か、王が第一王子の手によって死に至る未来がくるかもしれないという内容
それを防いだというのなら、王を護衛するぐらいの立場、部隊長や団長クラス
もしくは、上級貴族、王族の側近……。
…きっと悪い人ではないのは分かる。
………というか、そう思いたい。
ジンに聞いてみればいいのだが、きっとジンは言わない。
考えれば考えるほどお礼のものが浮かばない。
『綺麗な花束ありがとうございました。私もお礼の品は必ず送らせていただきます。』
とりあえず、その手紙と家の近くに咲いている花を一輪鷹に託した。