陰の王子様




そもそも、手紙のやりとりをしていたのがおかしかったのだ。



貰った花束も枯れてしまい、手紙も来なくなり、気分が落ちているのは自分でも分かっていた。


だけど、たまにヴィルが飛んでくる時がある。

ジン宛の手紙を持ってきてたり、時には何も持たずにやってきて、畑にいる私の肩に止まってたり。
それだけで、嬉しくなった。



ヴィルは私の命の恩人であることは間違いない。
あと、あの馬だ。


うっすらしか覚えていないが、あの馬は白馬で、ものすごく綺麗だった気がする。


…これだけ動物に助けられてるんだなと改めて考えると、少し可笑しくなった。






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