陰の王子様




「レティシア、パーティー行かないか?」


久しぶりに屋敷へ帰ってきたジョセフさんは顔が前以上にいきいきしていた。

城での仕事が充実しているのだろうな。
そんな顔を見たら、こっちまで嬉しくなる。



会えなくて寂しい。
なんてことを言う年じゃないけど、お二人とも王都に来てから忙しくてほとんど会えなかったのは事実




顔が見れて、ホッとしたというか、そんな感じだ。


「私が戻ったことをお披露目するパーティーらしくてな、王が娘も紹介したらどうかと。もちろん嫌だったら良いんだよ。」

パーティー……。



侯爵家令嬢として出ることの意味
きっと良い目で見られることは少ない。


…だけど、養子にしてもらったからには、コヴィー家の役に立ちたい。



ジョセフさんたちに子どもはいない。
……そう考えると、将来的に私が跡継ぎを産まないといけないはず。


嫌でもこの屋敷の中に引きこもっている訳にはいかないのだ。



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