陰の王子様
『まあ、綺麗な色ですね!』
『白い金色かしら?』
『奥様!下ろしたままでも十分お綺麗ですわ!』
『でもねぇ、ちょっと野暮ったいと思うの。』
『では!肩上で切って動きを出したらどうでしょう!?』
『!!それだわ!』
なかなか女性でここまで短い人はいないらしいけど、アメリアさんたちはものすごく褒めてくれた。私も気に入ってる。
けど、心配だ。
勝手な偏見だけど、良いとこのお嬢様たちってドレスだとか、アクセサリーといったところをめざとく見てるイメージ。
私のこの髪が原因で、変な噂が広まってコヴィー家に迷惑をかけないか心配だ。
「さぁ、着いたよ。レティシア」
「はい…。」
レティシア・コヴィーとして初めての大仕事が始まった。