陰の王子様






キース家の中にある広めの部屋



ライラ様から指示があったのか、既にテーブルやお茶が用意されていた。





「貴方もどうぞ。お疲れでしょう?」


クスクスと周りの御令嬢たちが笑う中、踊り疲れた私はありがたくお茶をもらう。




「ライラ様、俺たちあそこにいても?」

「あらそう。うふふ、良いわよ。お楽しみになって。」



そんな会話が聞こえる。
ダンスから解放された私には関係ないとゆっくりお茶をしていたら、強引に手を引かれる。


そのためにお茶が腕やドレスに溢れたが、今日は黒のドレスを着ていたから目立つことはなかった。




お茶を溢したことなどお構いなしに、ぐいぐいと引っ張る男

「離してください。」


「はい、どうぞ。」




投げ捨てるように強引に引っ張られた先はソファ


ソファに叩きつけられ、頭を軽く打ちつける。



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