陰の王子様
「嬉しいなあ。君を愛せるなんて。…男どもに自慢できるよ。」
意味の分からないことを言って、男は私の上に覆い被さってくる。
「ちょっと、どいてください!」
「怖いの?大丈夫、優しくするから。」
噛み合わない会話
気味が悪い笑みを浮かべて迫ってくる男の胸を力づくで押しやる。
思ったより強かったのか、男は驚いた表情を浮かべた後、眉間に皺を寄せる。
「大人しい女だと思ってたが、楽しめそうな女じゃねーか。」
ソファに押し倒され、私が抵抗するより先に、私の両手首を拘束してしまう。
グググと思いきり力をこめて拘束されている。
「さて、このドレスの下はどうなってるのかな。」
男が動く前に、蹴りを男のど真ん中に入れる。
ヴッ!!
と、声を上げた後、ソファから転げ落ちた。
すぐさま起き上がり、ソファから距離をとる。
「おいっ!!!お前ぇ!!…くそっ!同じ目合わせてやる!」
痛みより怒りが勝ったのか、立ち上がって襲いかかってきたのは予想外だ。
だけど、フラフラしてる男などに捉えられるほど弱くはない。