陰の王子様
7
「付き合わせて悪いなローガン」
「いえ、大丈夫ですよ。」
馬に跨り、適度な速さで城へと戻って行きながら街の様子にも目をやる。
特に変わったところはなさそうだ。
街を眺めていたら、城の側まで来ていた。
「なにか匂います。」
ローガンが馬を止め、辺りを見回す。
俺も止まり、匂いを嗅いでみれば、確かに焦げ臭い匂いがした。
何処だとローガンとともに街を見渡していたら、ドドドとたくさんの馬の蹄の音がした。
「団長!」
「何があった!?」
俺にも気づいた団員たちを制し、報告を促す。
「キース公爵家が火事だそうです!」
その言葉にローガンは馬を走らせる。
「イオ様!貴方様は危険です!お戻りを!」
「人手は多い方が良いだろう。」
さっきとは比べものにならない速さでキース公爵家を目指す。