陰の王子様
『ふぇっ、…っぐす。』
木に囲まれた懐かしい湖
私は1人になりたい時、よくここに来ていた。
10歳の頃は朝起きるとここに駆け込んでいたぐらい、嫌な夢をずっと見ていた。
見たくもない夢
目を塞ごうと思っても塞げない。
夢の長さはバラバラで、短い時もあったけど、そういう時は嫌な場面だけ見て目が覚めていた。
初めて嫌な夢を見た時は、お父さんたちに泣きついてた。
お父さんたちは予知夢を見ることはできないけど、お父さんのお母さんは見ていたらしい。
昔から予知夢を見ることができる子が産まれる家系だったらしく、同時期に2人はいなかったけど、予知夢を見ることができる人が亡くなると、必ず予知夢が見れる子が産まれていた。