陰の王子様
困惑する私を見て、軽く声を出して笑う王子
「ふっ。…スズミが報告してくれた。」
「えっ、ス、スズが…。」
何で報告…。
あ、ここが王城だから?
……何で城にいるのかは私も聞きたいけど…。
…うん、報告するよな。私、部外者だし。王城にいる以上、王族に報告はいくよね。
ん……?
私とスズが知り合いって、バレてる……?
「えっと、…あの、スズ、ミ、さんとは….?」
「隠さなくて良い。全部知ってる。お前がロベール王国の出身だということも、騎士団に入った理由も、…怖い夢を見ることも。」
背筋が凍るような気分だった。
…何もかも王子は知っている。
ぎゅっとスカートを握りしめ、次に王子から発せられる言葉を想像すると恐怖を感じる。
でもまさか、予知夢のことを知られているとは。
何と言われるのだろう。…クロードのように手駒として側に置くのだろうか。
沈黙の空気がますます私を追い詰める。
「…申し訳、ありませんでした。」
崩れ落ちるように床に跪いた私