陰の王子様








……本当に全部、知ってるんだ。





「はい。大丈夫です。」







「大丈夫かどうかは、ちゃんと診察されてからですよ。お嬢様」





シャッと幕を開けたのはスズ

スズが1面の幕を開けきると、他に来訪者がいたことに気づく。




「ジョセフさん、と……、あの時の、…ボニー、さん?」



「はい。改めまして、ボニーです。お嬢様、ベッドに座っていただいてもよろしいでしょうか。」




柔らかい笑みを浮かべるボニーさん


「2人揃って何で床に座っているんですか。レティシア、ベッドに座りなさい。イオ様も椅子にお座りください。」



イオ様が手を貸して立たせてくれる。

私をベッドに座らせると、イオ様はスズがベッドの側に用意した椅子に座る前にボニーさんに話しかけた。





「ボニー、レティシアに傷あとは残ってないんだよな?」


「はい。大丈夫だと思いますが、どうですか?お嬢様。肩とか、傷残ってます?」




……肩


クロードに斬られたところだ。

「跡なく綺麗に治りました。……もしかして、ボニーさんが?」








< 270 / 383 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop