陰の王子様
……本当に全部、知ってるんだ。
「はい。大丈夫です。」
「大丈夫かどうかは、ちゃんと診察されてからですよ。お嬢様」
シャッと幕を開けたのはスズ
スズが1面の幕を開けきると、他に来訪者がいたことに気づく。
「ジョセフさん、と……、あの時の、…ボニー、さん?」
「はい。改めまして、ボニーです。お嬢様、ベッドに座っていただいてもよろしいでしょうか。」
柔らかい笑みを浮かべるボニーさん
「2人揃って何で床に座っているんですか。レティシア、ベッドに座りなさい。イオ様も椅子にお座りください。」
イオ様が手を貸して立たせてくれる。
私をベッドに座らせると、イオ様はスズがベッドの側に用意した椅子に座る前にボニーさんに話しかけた。
「ボニー、レティシアに傷あとは残ってないんだよな?」
「はい。大丈夫だと思いますが、どうですか?お嬢様。肩とか、傷残ってます?」
……肩
クロードに斬られたところだ。
「跡なく綺麗に治りました。……もしかして、ボニーさんが?」