陰の王子様
ドア1枚の距離にイオ様がいるんだ…。
そう思うと嬉しい反面、迷惑かけないように物音とか気をつけないといけないと心に決める。
「レティシア、何か羽織って、こっちおいで。」
少し気まずそうな笑顔
自分の今の格好に気づいた私は赤面する。
あとは寝るだけだからと、スズが準備してくれてたのは薄い肌が透けて見えるワンピースだった。
ちょっと薄くないか?と少し思ったけど、大丈夫かと思ったぐらいで、コヴィー家で寝る時の格好も、このぐらいの透け感の物が多かった。
でも、男性の前、しかもイオ様の前だとなると話は別だ。
私は急いでクローゼットの中から大きめのストールを羽織り、ひっそりとイオ様の部屋に続くドアへ向かった。
こっそり覗くと、イオ様もいつもとは違う身軽な装いでソファに座っていた。
初めているイオ様の私的な部分にきゅんと胸が鳴った。
思わず羽織っているストールを首元まで合わせながら両手を胸元で握りしめていると、硬い物に手が当たる。