陰の王子様
「…きっと、イオ様は恥ずかしがって言わないと思いますが…、イオ様にとってレティシア様は初めて守りたいと思われた方です。」
「……守りたい。」
「ジェハ、言うな。」
「言わせてください。レティシア様をお守りするイオ様の長年の行動は1人の男として、私とても尊敬しているんです。」
その言葉に諦めたように息を吐き、イオ様はお茶を口にした。
「何度かイオ様と遊んでいたことは覚えていないのですよね?」
「はい…。」
「ああ、すみません。気にしなくてよろしいですよ。アイリス様のお話では、レティシア様はイオ様と遊んだことではなく、遊ぶ仲間が増えたことが嬉しそうだったと。イオ様のお名前も知らないはずだと、おっしゃっていました。」
ああ…、ものすごく失礼なことしてないか…?
「申し訳ありません。」
「…結構きたぞ。毎年、誰?みたいな顔で見るんだから。」
胸をトントンと差しながら話すイオ様