陰の王子様
煙がたちこめる視界の悪い中、一歩ずつ進んでいくと、地面に横たわる人々がそこらじゅうにいる。
あんなに緑が溢れ、青い空が広がっていた里が、
たった1日でこんなに変わってしまう。
生き残りはいるのか。
そう思ってしまうほどの状況。
そして、あの方達は無事なのか。
ローベル国王よりも、自分たちにとっては大切な存在。
ここより少し高い、木が生い茂るところに目を向ける。
里の者だけが知る、大切な方達。