陰の王子様



置いてあった果物やお菓子を2人で食べきり、スズミさんが用意してくれたお茶を飲む。



「…それと、何も見なかったんだ…。ジンは酒に睡眠薬が入ってたって言ってたけど、睡眠薬のおかげだと思う?」



「そうですか、何も…。それは、今までなかったことですね。睡眠薬が入って強制的に眠らされたとしても、ある程度で効果は消えて、それからはシンア様の意思で眠っていたはずですし…。」


眠っている間に何かあったのか…。


「でも!ゆっくり眠れたんですよね?何も見なかった上、シンア様は安眠も得られた。それで良かったって思いましょう!」


「そうだな。」


こんなにゆっくり寝たのはいつ振りだろうか…。



遠い昔にあった気がする。



< 40 / 383 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop