陰の王子様
置いてあった果物やお菓子を2人で食べきり、スズミさんが用意してくれたお茶を飲む。
「…それと、何も見なかったんだ…。ジンは酒に睡眠薬が入ってたって言ってたけど、睡眠薬のおかげだと思う?」
「そうですか、何も…。それは、今までなかったことですね。睡眠薬が入って強制的に眠らされたとしても、ある程度で効果は消えて、それからはシンア様の意思で眠っていたはずですし…。」
眠っている間に何かあったのか…。
「でも!ゆっくり眠れたんですよね?何も見なかった上、シンア様は安眠も得られた。それで良かったって思いましょう!」
「そうだな。」
こんなにゆっくり寝たのはいつ振りだろうか…。
遠い昔にあった気がする。