陰の王子様
遠い記憶を掘り起こそうとしていると、
「シンア様!突然ですが、良いなと思う人はいないのですか!?」
「えっ?何、突然。」
「シンア様と恋のお話をしたいんです!」
恋のお話…
「騎士団にはカッコいい人がたくさんいると使用人の間では、ずーっと話題です!」
「あのお昼の時間に、繋がりを持とうとみんな頑張ってるんですよ!でも、やっぱりローガン様とか、トップの人たちとの僅かな可能性を無くしたくないじゃないですか!」
スズミさんの圧に押されながら、うなづく。
「ローガン様とか、ジン様は私たちとは関わりがほとんどないんですよねー。だから、さっきお2人と同じ空間にいたことは緊張でしたね。」