陰の王子様
かと言って、見回りは大人数では回らない。
2人1組の計10人5組で王都をくまなく歩く。
「シンアは俺と…」
集められた第二の騎士9人と団長が今日の見回り担当
次々に2人組が言い渡される中、自分は団長とだった。
「この2人1組は必ず離れないこと。単独行動は許さない。それから、「俺も一緒に行っていいですかー?」
一斉に視線がバッと上を向く。
当の本人は軽々と木から飛び降り、団長の隣に着地する。
「またお前…こんなとこで何してる。」
「ちょっと頼まれごとでして、俺も連れてってくださいよー。」
団長と親しげに話すこの人は、第ニ王子の側近ジン
ふらっと訓練場に突然現れ、剣の練習をすることが多く、騎士団との交流は深いが、側近としての仕事をちゃんとしているのか疑わしい。
それに会うと鬱陶しくなるほど、付き纏い、話しかけてくる。