陰の王子様
「ほら、食べて。栄養取らないとやりたいこともできないよ?」
食事の乗ったテーブルをベッドの側まで持ってきてくれる。
サンチェさんが敵の可能性は捨てきれないが、どこか信用してしまう自分もいる。
はあ…とため息がこぼれ、サンチェさんが持ってきてくれた食事に手をつける。
「しばらくしたら拘束しなくても良くなると思うからそれまで我慢ね。」
食事を食べ終えたら、再び手を頭の上で縛られる。
さっき縛られていた時よりもだいぶ緩めにサンチェさんは縛った。
「…クロード様はたぶん来ないと思うから。落ち着かないと思うけど、ゆっくりしてな。」
そう言うといつもの軽い笑顔で部屋を出て行った。