陰の王子様
拘束されたベッドの上でただひたすら天を見つめていた。
時間の経過など何もわからない。
唯一の判断材料はうっすらとこぼれる陽の光のみ。
今は陽の光が全く入らず、自分の視界もほぼ暗闇状態。
恐らく夜が深い時間だろう。
サンチェさんにはゆっくりしてろと言われたが、できるはずない。
昔の無邪気な頃、憎しみを知った頃、自分が強くなることに喜びを感じた頃、そして、結局は自分じゃ何もできないと知った今。
そのループにずっといた。
そんな時、
今まで物音1つしない空間に微かな音が聞こえた。
頭だけ動かし、音が聞こえた気がした窓の方を向く。
バサッ…