陰の王子様
「皆の者!今日は我がウィザリアのパーティーに参加され、ありがたく思う!」
突然、第一王子が声を上げたことにより、人々は話を止め、音楽も止まった。
「ウィザリア王国第一王子、クロード・ウィザリア」
「この度、新たな側室を迎えることになった!」
ウワァっと盛り上がる人
それは誰なんだとソワソワする人
その様子に満足気に笑うクロード
「迎えるのは庶民なんだが、俺が小さい頃から忘れられないと、俺を追ってきたほどに俺を愛しているんだ。」
「仕方がないからな、側室に入れてやったまでだ。」
そう言い切ると、王に振り返り、
「そういうことですので、俺は先に帰らせてもらいます。」