陰の王子様
なにが女神だ…。
あの嬉々とした顔を思い出すだけで嫌気がさす。
「僕は向こうに行ってるから、早く着替えてね。…嫌でも着るんだ。でなきゃ、僕が怒られてしまうからね。」
そう言い、ベッドの周りの布を隙間なく全部閉めてベッドから離れて行った。
1人になり、再びベッドに置かれた真っ白な布の塊を眺める。
おそるおそる手に取り、広げてみれば、胸元はざっくりあいており、袖には、申し訳程度の布
きゅっと絞られたお腹の下は、ふんだんに布を使用し、重いと感じるほどの長さだった。
このドレスはきっとクロードが作らせたものだろう。
ドレス全体には、無数の輝く宝石が散りばめられている。