陰の王子様
「シンアさん!綺麗な名前!この上着は騎士団の上着ですよね!?」
徐々に詰め寄るような彼女に戸惑いつつ、
「…はい。騎士団の団員です。」
「〜〜かっこいい!!」
体をじっくり見回され、体に触れようと手を伸ばす彼女を何とか凌いでいると、
「おーい。シンアに触っちゃダメだよー。シンアには恋人がいるからね。」
恋人…?
そんなのいないが。
「えっ!?そうなんですかー!?」
「まさか。いないですよ。自分は騎士としてまだまだ未熟ですので。」
そう答えれば、ジンと自分に恋人がいるいないで言い合う彼女
よく分からない状況に、さっきからずっと近くの壁にもたれてこの様子を眺めているローガンさんに助けを求める。