陰の王子様
そんな時…
いつも物音1つしない部屋の外が騒がしい。
バタバタと走り去って行く足音に混ざって話し声も聞こえる。
そっとドアに近づき、聞き耳を立てる。
「––––だ!!」
「待て!!!」
音をたてないようドアを少しだけ開けると、この部屋の前に騎士が5人ほどいた。
彼らは肩で息をし、焦った声で話す。
「どこ行った!?」
「すみません!見失いました!!人数増やします!」
「クロード様に気づかれないよう大事にはなるべくするなよ!」
「クロード様の部屋付近に行ってないことを願うのみだな。」
「…犬が3匹に鳥が2羽。捕まえるだけでいいが、万が一危害を加えてくるのなら、傷つけても構わない。」