陰の王子様
20人ほどの騎士たちが、元気に走り回っている犬たちを追いかけ回している。
側から見ると、遊んでいるようにも見えるぐらい犬たちが楽しそうにしている。
「待てっ!!」
「おい!そっち囲め!!」
ピィ––––ィ!!
棟を出ると急加速して走り回っている犬たちの上を旋回する鷹
やがて、もう1羽の鷹がやってくると、一斉に右隣に立つ王城を目指すかのように行った。
「くそっ!!」
「おいっ、急げ!」
パンッと背中を叩かれ、走って行く騎士たちに軽くついて行き、途中で立ち止まって、その場で見送る。
周りに誰もいないことを確認し、右ではなく、左方向に走った。