また会える。
この時清水が悔しそうな顔をしてたのは周りにから見ればすぐわかった事だった。
「白石、借り物競争は見てろよ」
「わかったよ。ごめんね」
そういうと借り物競争の待機場所へと走っていった。
((次は借り物競争です。好きな人のおだいも混ざっています!!さぁ男子の皆さん頑張ってください!))
アナウンスがされる。あ、そうだった。借り物競争は男子しか出れないんだった。
足が早くて運動神経も抜群の清水はするする障害物を通り抜けあっという間におだいの紙にたどり着く。清水はおだいのカードを見て立ちつくしていた。あとから来る人にどんどん先を越されていく。横山も追いついた。横山は迷わずに咲良の前に行き、
「一緒に来てくれ。」
「私?」
「お前しかいない。」
そう言うと私の手首を掴んで走り出した。辺り一面は歓声に包まれる。私だけこの世界から置いてかれている感覚だった。
もう最後の1枚も取り終わり、みんな貸してくれる人を探している。でも清水はいつまでたっても動かない。そんな時だった。私のところに1人の男の子がやってきた。隣のクラスの子だった。
「あ、あの白石さん。タオル持ってるよね?一緒に、、、」
彼が言いかけた時だった。
「康太ー!!どんな結果でもやるんだろ!?怖がってんじゃねーよ!!!」
もうあっという間にゴールした横山が大声で叫ぶ。そんな横山の言葉でスイッチが入ったのか、清水はいきなり走り出した。私のところに来ていた彼をどけるように清水は私のところに来る。
「花菜!ごめん。困らせるかもしれないけど、と前じゃなきゃダメなんだ」
私の手をとって走り出す。だが、私は短距離走は大の苦手で走るのが遅い。だから清水のダッシュについて行くのは大変だ。そんな私に合わせてゆっくり走ってくれる。無事にゴールできた。

お題と合っているか動画の確認を1人ずつマイクで喋る。これも好きな人のお題のためにできたルールだ。
「お名前をお願いします」
放送委員の子が一人一人に聞いていく。そうこうしているうちに、横山の番が回ってくる。
「14HRの横山雄太です」
「さぁ!お題はー!好きな人だー!」
咲良は顔を真っ赤にしていた。横山も顔を赤くしていた。いいなこんな青春私もしてみたかったな。
「ずっと初めから好きだった。付き合ってくれ」
「何その上から目線、、、よろしくね」
嬉しさのあまり横山が咲良に抱きつく。学校中が歓声で揺れているみたいだった。幸せなオーラがでてますよーだ。どこぞの少女漫画だよ。
「それではラストはー」
「14HRの清水康太です」
「お題は、友だち!」
「はい。これはちゃんと理由があります。花菜、お前には遠距離だけどすごく大切にしてくれる彼氏いるよな。だからこの気持ちはそのまましまっておこうと思った。だけど、彼氏の規制が終わったら花菜はいつも寂しそうな目してた。俺だったらそんなに顔させない。俺だったらもっと幸せにしてやる。だから、だから俺を友達じゃなくて少しでいい、少しでいいから男としてみてくれませんか?今好きになって欲しいなんて言ってない。いつか花菜が振り向いてくれるまで俺は花菜を好きでいる。それだけだよ。返事は今欲しいなんて思ってない。困らせてごめんね」
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