また会える。
そのまま清水とは1回も話さなかった。明日から夏休みというところに、横山に話しかけられた。
「白石ー清水と話してやってくれよ」
横山は清水とは違ってかっこいい王子様と言うよりは、クールでとっつかみにくい性格だった。
クラスで話す人といえば、私と咲良くらいだ。
「え、私から話す義理はないんだけど。」
「そんなこと言わずにさ、頼むよ」
とっつかみにくい性格と言われているが、仲良くなれば結構フレンドリーで優しい。友達のためなら頭も下げれる男前。頭、下げられたら困るよ。
「清水〜」
LHRの終わって清水に話しかけてみる。
「最近ずっと話してないけど大丈夫?生きてる?」
最近話してないのは本当だし、元気がないなとも同時に思っていた。
だが、それは私の想い違いだったようですぐ顔を明るくした。
「元気だよ!」
「なんだよ。心配して損した」
「冷たいな」
また、ムスッとしてしまう。ったくめんどくさいやつだな
「ん。はいこれ」
そう言って私はスポーツドリンクを手渡した。サッカー部は終業式でも練習がある。さすが強豪校。
「熱中症にならないようにね」
「はーい!さんきゅーな!」
私からのスポーツドリンクを受け取ると教室を飛び出していく。サッカー好きなんだな。
「ありがとうな。」
後ろから横山に声をかけられる。
「やっぱりお前は気が利くな」
そう言うとクシャッと私の頭を撫でた。185cmの身長には153cmの私なんて小さい小さい小動物同然のようにいつも扱われている。
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