また会える。

夏休み

熱い暑い夏休みに入る。夏の合宿も大会も終えた。結果は良くなくて落ち込んではいたが、次頑張ろうと決意していた。夏に毎日と言うほど練習があったテニス部もお盆からはお休みだ。そしてお盆は大好きな人が帰ってくる。やっと会えるんだ。


やっと会える日。私は駅へと向かう。改札口で彼を待った。
「花菜!」
「礼偉。久しぶり!」
「会いたかった」
そういうと駅の真ん中で抱きしめられた。嫌な気は全くしなかった。

「白石?」
聞いたことある声が聞こえる。
「清水?」
私は礼偉から離れ清水の方を見た。彼は私ではなく、礼偉を見て驚いたような顔をしている。私と礼偉と清水の周りだけ息を飲む音が聞こえそうな沈黙に包まれている。
「清水ー?おーい?どーした?」
「そいつは?」
「あぁ。私の彼氏」
「え、?」
「だってそいつ」
意味がわからないというように清水は私と礼偉の顔を交互に見る。
「何が言いたいの?」
「いや。楽しめよ」
「ん。ありがとう」
そのままふわっと今までとは違う優しい笑顔を見せて立ち去ってしまった。
「あれ誰?」
「同じクラスの子」
「仲良いの?」
「だる絡み程度」
「そっかそっか」
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