また会える。

体育祭

新学期が始まると直ぐに体育祭シーズンがやってくる。私は清水とより仲良くなっていた。
「清水は何の種目出るの?」
「俺?俺はリレーと借り物競走」
「借り物競争出るんだ。」
私たちの高校の借り物競走は伝統的で、少女漫画定番の『好きな人』のテーマがある。
「好きな人あるよ?」
私はさりげなく聞く。
「だから出るの。楽しそうじゃん?」
いやいや。上級生にも同学年にも人気の君が公開告白なんてしたらどうなっちゃうの。
「え、いるの?清水のくせに?」
「ん。まぁね。こんな俺でもいるんですよ」
ちょっと拗ねて答える。
「頑張れ」
「おう」
顔を真っ赤にして答える。へぇ可愛いところもあるじゃん。


「白石。ちょっと。」
「ん、なに?」
横山に呼び出される。
「月島に告白しようと思う」
「、、、え?!」
私は一瞬黙ってしまった。驚いたからだ。あの横山が人を好きになる、、、
「体育祭、俺も借り物競争でるから」
「そっかそっかー横山も男の子だもんね」
「俺をなんだと思ってるんだ。それで、」
「うんうん」
「もし借り物競争で好きな人引けなくても体育祭終わったら言おうと思う。だから協力してくんね?」
「よろこんで!頑張ってね!」
あんなに話している月島を見るのはあまりない。本当に本気なんだと思った。
私は彼氏はいるけど、帰省していない時は学校のリア充達から見ればも同然。だからみんなの応援をしている。みんな上手くいくといいな。
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