また会える。
体育祭当日
私はお腹が痛くて死にそうだった。うわぁこれ最悪。体調悪すぎる。
「花菜?顔色悪くない??」
そう言って私の顔を覗き込んできたのは咲良だ。
「ん、大丈夫だよ。昨日ちょっと夜更かししちゃって」
「そー?無理しないでね??」
咲良の優しさが身に染みる。
私が出る種目は15人16脚と、仮装リレーだ。仮装リレーは昼食後だったが、私の腹痛は昼食の時間でピークを迎えていた。
「ごめん咲良。お腹痛すぎる。保健室行ってくる」
「大丈夫??出れそう?」
「大丈夫!それまでには戻る!」
そう言って保健室に行った。保健室に行くと保険の先生はいなくて、私一人だった。少し寝かせてもらおうと思い、ベットに横になるとすぐに寝てしまった。どのくらい時間が経ったか分からなかった。私が目を覚ますと整った顔の男の子が目の前にいた。
「大丈夫か?」
そう声をかけてくれたのは清水だった。
「あ、うん。大丈夫。ここにいてくれたの?」
「ん、まぁ一応。」
「ごめん。ありがとう。」
「月島たちが心配してる。早く戻ってやれ。でも無理はすんなよ。」
「大丈夫!寝たら元気いっぱい!ありがとうね清水!」
私はありったけの笑顔で保健室を出た。

仮装リレーは上手く行き、見事1位を取れた。
さぁ次はリレーだ。清水が出る。清水はクラスで1番足が速い。だからアンカーを務めることになっている。
((よーいすたーと!))
掛け声からレースがスタートする。
バトンが渡った。私のクラスは今3位だ。清水がどんどん抜いていく。走る姿にどうしても礼偉を重ねてしまう。2位のチームと競り合った結果、1位をもぎ取った。思わず涙がこぼれてしまう。会いたい。戻りたい。たった1回のリレーで鮮明に思い出してしまった。ずっと一緒にいれた中学の時のこと、すごく幸せだったこと、全て。帰省が終わる時私は礼偉の前で泣かなかった。だがここで全てが切れたように泣いてしまった。みんなは1位を取れたことが嬉しくて、嬉し泣きをしていると思ったようだ。
リレーの選手が帰って来た時も涙が止まらずにタオルで顔をおおっていた。
「白石?見てた?!っておい、大丈夫か?」
「ちょっと清水が礼偉に重なって懐かしくて、戻りたくて、、、」
私は清水を信用出来るそんな仲になってしまっていた。だから清水だけに聞こえる声で言った。
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