1日限定両想い

今はただ、新田先生が言ってくれた"いつかまた会える"という言葉を信じることしかできない。

約束すると言ってくれた新田先生の言葉だけが頼りだった。

大阪へ帰った菊池先生の今を新田先生は知っているのかもしれない。


卒業したら、私はそこへ会いに行く。


菊池先生の教師人生を狂わせてしまったことを謝りたい。

受け入れてもらえるならば、また気持ちを伝えたい。


こんな形で離れてもなお、私は菊池先生のことが好きだった。









ーー1年後ーー



『須崎。』

「新田先生。」


3年になって、担任が竹石先生になった。

新田先生とはあまり話す機会がなくなったけれど、ときどきこうして声をかけてくれる。



『元気か。』

「元気です。」

『もう落ち着いたか?』

「はい、ありがとうございます。」


夏休みが終わる頃、祖母が亡くなった。

それはとても突然の出来事で、施設からの連絡をすぐには信じることができなかった。



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