1日限定両想い

「ごめん…ごめんな…。」

『新田先生は何も悪くないです。』

「俺がもっと引き留めれば良かった。菊池先生のこと、ちゃんと繋いでおけば良かった。」

『新田先生…そんなこと言わないで。』


そっと伸ばした手で俺の背中をさすって、須崎がしがみついてくる。

どれだけ触れ合っても、距離をなくしても、2人の間には埋められない寂しさと後悔があった。


失ったことでさらに、菊池先生は大きな存在になっていた。



「ずっと何とかして連絡取ろうとしてきたけど、無理だったんだ。」

『そうだったんですね。』

「なぁ須崎。」

『はい。』


そっと身体を離し、目を見て伝える。



「俺たち、一緒にいないか?」

『え…?』

「付き合ってほしい。俺と。」


しばらく時が止まったように須崎の表情は固まっていた。

探るように揺れる視線が真意を問いかけているみたいで、逸らさないように見つめ返す。



「好きなんだ、ずっと。須崎のことが。」


途切れ途切れの言葉でも、須崎にちゃんと届いただろうか。



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