1日限定両想い

『なぁ心詠。』

「うん。」

『キスまでなら、いいかな。』

「ふふっ。」


あまりにも神妙に聞かれるものだから思わず吹き出すと、笑うなよと照れたような声が降ってくる。

胸から響く声の振動に、愛しい気持ちが一気に溢れてきて。


顔を上げてぐっと背伸びをすると、その唇に触れた。



『心詠、それ反則。』


顔を離すと今度は青波さんから捕まえられて、深く深く、息ができなくなるまで長く触れ合っていた。

解放されてからも浅い呼吸を繰り返していると、全身が青波さんの余韻でいっぱいになる。



「青波さん。」

『心詠。』


同じことを考えているような気がして、でも言葉にするのを躊躇っていると名前を呼ぶ声が重なった。


離れたくなかった。


青波さんと、このまま、



『もう寝ようか。』

「ねぇ、」

『シャワー浴びといで。』

「私なら大丈夫。」


すっと身体を離した青波さんに手を伸ばしたけれど届かなかった。



『大事にするから。』


だけどそう言われたらもう追いかけることすらできなくて。


ただ愛しくて、ひたすらに苦しかった。



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