1日限定両想い

こうして予期せぬ流れで俺は昼休みをひとり元部室で過ごすようになった。

あれから1週間経つが、須崎はここへは来ていない。

待っているわけではないけれど、昼休みになると足は自然とここに向かっていた。



『菊池先生、最近どこでお昼食べてるんですか。』

「どこでもええやろ。」


今日も須崎が来ることはないまま昼休みを終えて職員室へ戻ると、新田が声をかけてきた。

何が楽しいのか、新田はいつも少し笑ったような顔をしている。

本人に自覚がないなら悪口になってしまうかもしれないが。



「廊下で生徒待っとるぞ。」

『あぁ、じゃあいなくなってから行きますわ。』


これはさすがに自覚しているだろうが、新田は生徒から人気がある。

さっぱりと短い短髪は清潔感があって、俺みたいにガタイがいいわけではないから暑苦しさも威圧感もない。

短髪なのは俺も同じだけれど、ただ切りましたみたいな感じにあえてセットしていることにやっぱり腹が立つ。

そして比較している自分にも、腹が立つ。



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