１日限定両想い

「高校生同士だからできることだってあるだろ。」

『そうかな。』

「高校生同士だから、いつでも手を差し伸べられる。」


いつでも手を差し伸べるには、俺にはまず考えなければいけない関係性と保たなければいけない距離がある。

教師と生徒という、超えてはいけない線がある。



「須崎と付き合ってるのか。」

『えっ？そんなんじゃないっすよ！』

「そうなのか？」

『そんな、俺なんか何も…。』


素直な反応と照れに高校生らしさを感じて微笑ましくなる。

付き合ってるわけではなくても、好きなんだろうな。

そして、力になりたいと思っている。



『学校では俺に話しかけてほしくないと思うんですけど。』

「学校では？」

『あぁ、なんでもないです。』


学校以外で桜木と須崎が会う場所がうまく想像できなかった。

だけど学校以外で良き話し相手になってあげられるなら、それはやっぱり桜木じゃないと無理なのだと思う。