1日限定両想い

『須崎さん。』

「先輩。」


翌日、お弁当を持ってうろうろしていたところに声をかけられたのは3年の桜木先輩だった。



『良かった、間に合って。まだ食べてないなら一緒に食べない?』

「あぁ、はい。」


菊池先生のところへ行こうか、でもあんまり毎日行くのもどうだろうと迷っていたところだったから、曖昧に頷いてしまった。

だけど桜木先輩が嬉しそうに笑ったから、そのまま付いて行ってしまう。



『良い天気だね。』

「そうですね…。」


中庭に並んで座って、誰か来ないだろうかとそんなことばかり心配していた。

ただでさえ桜木先輩は皆から人気があるのに、いつも1人でいる私なんかと一緒にいたら変に目立ってしまうだろう。



『どう、最近。』

「え?」


私がそんなことを考えている横で、桜木先輩が純粋に心配そうな声で聞いた。


桜木先輩と一緒にいるところを見られて困るわけじゃない。

どうしてと聞かれれば困ってしまうだけで。



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