1日限定両想い

菊池 渉(キクチ ワタル)先生は俺より2年先輩の27歳で、担当は外見そのまま体育だ。

大学まで空手をやっていたという筋肉質ながらも引き締まった体系とよく通る声に関西弁。

顧問を務める空手部の生徒からも慕われるというよりは完全に恐れられているまさに鬼教師。



「すいません。」


まだ全身から放たれている怒りの気配から逃れるように眼鏡をかけ直すと、なぜか鋭い視線が飛んできた。

そして何もしていないのに謝ってしまう。


もしかしたら菊池先生には俺の眼鏡が伊達で、伊達なのは生徒に気を寄せられないように整った顔立ちを少しでも隠すためで、整った顔立ちとか自分で言ってることまで見透かされているのかもしれない。

まぁさすがにそこまでは思われていないだろうけど、俺みたいなチャラチャラしてるように見える教師は1番嫌いだろうしな。



『新田先生。』


菊池先生の視線から外れるように縮こまってコンビニのパンを食べていると、竹石先生が隣に座った。



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