秘密の片想い
あの頃
今から4年くらい前、三嶋とは入社した頃に知り合った。
本社入社の同期で、仲のいい4人グループのケンケンと、瑠夏とも同じ頃に知り合った。
新入社員研修で近くに座っていたのが、始まり。
三嶋は当時から背が高く、華やかな顔立ちだから目立っていた。
そんな彼の隣だった平凡を絵に描いたような私は、緊張していた。
けれど、三嶋はそんなことお構いなしだった。
「俺、三嶋。怜生(レオ)って書いて、リョウって言うんだ」
私に向けて言ったのか。
わからないけれど、私の隣が三嶋で、答えたのは彼の前に座っていた男性だった。
「なんだよ、それ。つまりレオってこと?」
それがケンケンだ。
私から見て、三嶋の奥に座っていたのが、瑠夏だった。
三嶋と、ケンケンのやり取りを聞いて、三嶋を挟んで私と目が合った。
長いストレートの髪の綺麗な女性だなと思ったら、彼女は肩を竦め、憐むように言った。
「入社早々、変な輩に絡まれているわね」
「変な輩、呼ばわり!」
ケンケンが大袈裟に嘆いて、みんなで吹き出した。