秘密の片想い

 真っ直ぐな髪と同様にストレートな物言いの瑠夏とは、すぐに仲良くなれたし、三嶋もケンケンも話しやすくて研修中はいつも4人でいた。

 三嶋が「俺をレオって呼ぶなら、お前はケンケンだ!」なんて言って、それから順番にあだ名をつけた。

 羽田健斗で、ケンケン。
 須藤瑠夏は、スッチー。
 私は、上野志穂だから、シー。

 ケンケンはみんな呼びやすくて、ケンケンと呼ぶけれど、他は呼んだり呼ばなかったり。

 特に三嶋のことを、レオと呼ぶのはケンケンだけで、瑠夏も三嶋と呼んでいたし、私もずっと三嶋と呼んだ。

 研修では、バラバラに営業所に配属されることもあったけれど、その頃には毎週のように集まって飲みに行っていた。
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