秘密の片想い
そしてそのまま後味の悪い雰囲気で、その日は解散となった。
帰り道、瑠夏が私に説明してくれた。
「三嶋に聞いたことがあるんだけどね。昔、付き合っていた彼女が、こっそり避妊具に穴を開けようとしていた場面に遭遇しちゃったみたいで」
私は黙って、瑠夏の話を聞いた。
「当時の三嶋としては、彼女を大切にしていたつもりだったけれど、そんなことされて信用できなくなったって」
そういう、ものなのかな。
私には、よくわからなかった。
だって彼女の気持ちは、痛いほどわかる。
モテる三嶋と付き合っていたら、きっと不安だ。
もちろんそれが、そんなことしていい理由にはならないだろうけれど。
瑠夏は、付け加えて言った。
「だから、女は怖いんだって」
酔った場の話だったのもあって、その時の気まずさは有耶無耶になり、それからも何度か集まって、その話は記憶の片隅に追いやられていった。