秘密の片想い
暴かれる過去と現在

「シー? 大丈夫か」

「ん……。寝て、た?」

「ああ」

「悪かった。見知らぬオジサンじゃ、娘ちゃんも怖いよな」

 保育園まで送っていってくれ、その後にアパートまでも送ってくれたのだ。

 それなのに莉乃は男の人が苦手で、車に乗るだけで大泣きをした。
 病気で体がつらいのもあるのかもしれないけれど、厚意で送ってくれるというのに、泣かれて申し訳なかった。

 今は泣き疲れて眠っている。

< 47 / 89 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop