秘密の片想い

 それから、寝室に倒れるように横たわる三嶋を見つけた。
 話しかけると、意識が朦朧としている彼が泣きながら、私へどれだけ好きなのかを訴えた。

 それをどこか冷静な気持ちで見つめ、きちんと寝かしつけるために三嶋に近づいたところで、唇を奪われた。

 ペチンと頬をたたくと、へにゃと顔を崩す。

 狡いよ。
 酔った勢いに、病気の勢い。
 それでまた、覚えていないんだから。

 心の中で文句を言うのに、心臓はこれでもかとドキドキして仕方がない。
 だって私も前は酔っていて、現実味がなかったのに、今は意識がはっきりしている。

 私からしたら、初めての彼とのキスだ。

 でも、そんなことでロマンチックな雰囲気に浸れる余裕はない。
 彼がきちんと布団の中で眠ったのを確認して、急いで口を濯ぐ。

 三嶋が知ったら、どう思うだろうと考えるとおかしかった。
 自分とのキスを、急いで濯がれて。

 でも今は、私まで倒れたら困ってしまう。
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