秘密の片想い

 鞄から予防用にと、特別に処方してもらった抗インフルエンザ薬を、迷いつつも三嶋に飲ませることにした。

 莉乃のかかっている病院は、希望があれば看病する親に抗インフルエンザ薬を処方してもらえた。
 実費だから痛いけれど、私が倒れたら困ってしまうから、お願いしたのだ。

 本当は薬を勝手に飲ませるのはダメだろうけれど、どう考えても三嶋は莉乃のインフルエンザがうつっている。
 放っておくのは忍びなかった。

 三嶋をベッドに寝かし終えると、莉乃の様子を見る。
 つらそうだけれど、変わってあげることもできない。

 莉乃の傍で様子を見つつ、できる範囲で三嶋の部屋を片付け始めた。
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