秘密の片想い
それから、再びこちらへ顔を出すと、キッチンの方へと歩いていく。
「大丈夫?」
「ああ、まだぼんやりはするけど。腹、減って」
「ふっ、ふふっ」
「なに? 変?」
「ううん。三嶋は、三嶋だなあって」
どこか納得していないような顔をして、三嶋は鍋にお湯を沸かすみたいだ。
「カップ麺くらいしかないけど、食べる?」
「うん」
「莉乃ちゃん、食べれないよな」
「うん。平気。ミルクがあるから」
普段は離乳食も食べているけれど、熱が高いと食べてくれない。
「そっか」
言葉少なに用意をする三嶋の隣に行って、カップ麺の用意を手伝う。
「病み上がりで、カップ麺なんて食べられる?」
「ああ、うん。食欲はあるみたいで」