秘密の片想い
「まだ、俺があの日、シーとの夢が現実だったって知る前」
三嶋はそこまで言うと、私をジッと見つめた。
そして、私の目を真っ直ぐに見つめて言った。
「シーさえよければ、誰の子でも構わないから、莉乃ちゃんの父親になりたいって思った」
「なにを、言って……」
三嶋は立ち上がり、私に歩み寄る。
私が体を固くすると、三嶋の大きな手が数度私の頭を撫でた。
「今までを謝っていいのか、感謝していいのかわからない」
三嶋の温もりに触れ、勝手に涙が流れる。
「勘違いしないでほしいんだけど。俺、シーが大切だから避妊したんだ。その前の時も、そのくらいの理性が残っていたら、よかったのかな」