秘密の片想い
私の気持ちは露知らず、部屋の壁にゆったりともたれ、三嶋は感慨深そうに話す。
「莉乃は他の子たちと遊んでるよ。あんなに男が苦手だったのに、嘘みたいだよなあ」
三嶋に慣れ、懐くようになってからは、すっかり誰とでも仲良くなれる人懐っこい性格に変わっていた。
泣かれて悩んでいたことが、遠い昔に思える。
「なあ、シーは、いつまで三嶋って、呼ぶつもり?」
雰囲気が怪しくなってきたのを感じて、ギクリと肩を揺らす。
「それは、だって、三嶋は三嶋だし」
「ふーん。別に呼び方は、いいんだけどさ」
こうやって言う時は、拗ねている時だ。
案外、子どもっぽいところもあるって、ずっと後から知った。
距離を詰められ、肩を抱かれるとダメだった。
頬にそっと触れる手が優しくて、鼓動が速まる。