★完結★消えた同級生【玩具の女・続編】
「ご旅行ですか?」

逢坂さんは、私達の旅行カバンを見ながら質問する

「はい。親戚の旅館に、避暑に来てまして…
東京から来たんですけど」

「そうですか…、いや、東京は暑いでしょ?」

「暑いです!風も熱風で…」

「私も若いときは東京だったので、夏は本当に快適ですよ、北海道は」

「いいですよね〜、僕も小学生までは北海道だったので、やっぱいいな…って思いますね」

聞いてて冷や汗が出そうになってくる

会話の節々に際どいワードが出てきて…怖い

どうしたいの?緋色…

気づかせたいの?



いや、でもよく考えれば普通の会話?



私は一人頭を悩ませている


その時…



「あの〜、俳優さんか、モデルさんですか?」

「え?」

娘さんの質問に、私も緋色も顔を見合わせた

「いえ、ただの大学生…ですけど」

「そ、そうですか」

娘さんはまた顔を赤くして俯く

緋色の毒にやられたか…



「…そういえば…


何処かで会ったこと、ありますか?」





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