★完結★消えた同級生【玩具の女・続編】
今までは話そうなんて思いもしなかったのに、こんな事になって初めて俺は親父という存在を認識し、心配するようになった



人を大切に思うことを知って、俺は初めて視野が広くなった

大切なものが増えていく

生きていく幸せを見つけていく

俺は今充実した心を持っていた






「…じゃあ、また来月な」

「ありがとうな…緋色」

「ああ…」

俺は係の人に弁当箱を渡し、先月分の綺麗にされた空の弁当箱を受け取る

俺が来月来るまで、親父は一体どんな思いで毎日生きているんだろう…

そんな事を考えながら、バイクにエンジンをかけた










「おかえり」

玄関を開けると、掃除機を片手に持った碧依がいた

そんな事に安心してしまう…

「今日は早番か…」

俺が冷蔵庫のシフト表を見ながら話した

俺達は毎月キチンとシフトをカレンダーに書くようにしている。

「ついさっき帰って来たばっかり…待っててね、今終わらせるから」

そう言って、碧依は掃除の続きを始めた
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