★完結★消えた同級生【玩具の女・続編】
「お前、もうやったの?」

「昨日暇だったからね」

灰皿にタバコを押し付けて、姫川は歩いて行った



やべーな、俺もさっさと片付けよう…

姫川は検事になるのが夢らしい

頭はすごく良い上に、勤勉だ

「負けられねーな…」

俺はゆっくり背伸びをして、教科書を開く

1コマまで、まだ時間はある

俺がレポートに手を付けると、学食の窓から手を振る人間がいた…

俺が顔をあげた瞬間、俺の心臓は凍り付く




「…何でお前が?」

相手はニヤリと笑って、ゆっくりドアを開けて入って来た

前より痩せてはいたが、綺麗な造りは変わっていない


「やあ、寒河江緋色…」

「何でここに?」

「この大学は、日本で一番の大学だ。俺も入ろうとしていたし…君がここにいるのは、容易に想像できるだろ?」

「何の用だよ?」

「退院したから、ただの挨拶だよ…」

何を考えているのかわからない瞳が、不気味さを強調している…


こいつの心を揺るがすあの人は、もう傍にはいないのに




「そうそう…、君の大切な物は手に入ったかい?」
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