★完結★消えた同級生【玩具の女・続編】
「前向きになれない、悲しい人なのね…」

おばあちゃんが寂しそうに呟く

私もおばあちゃんを見ながら、料理を見つめた

「ほら、焼けたわよ!」

おばあちゃんが鍋つかみで掴んだ鉄板の上に、美味しそうなパウンドケーキが焼けていた

「わぁ!美味しそう!」

「洋梨のケーキは、坊っちゃんが大好きだったのよねぇ〜」

おばあちゃんが嬉しそうに笑う

おばあちゃんの言う「坊っちゃん」は、緋色のお父さんの事だ

おばあちゃんはずっと、緋色のお父さんのお世話係だったから…

「今度、緋色が行く前の日に、おばあちゃんケーキ作ってね!緋色に持たせるよ」

「そうね。久しぶりに作ったけど、思ったよりよくできたし、今度はもっと上手に出来るわね」

「おばあちゃん、いつも満点だよ〜」

私達は夕御飯を作りつつ、お菓子を一品作って、お菓子を食べて夕飯を持ち帰る。

私のレシピノートは2冊目に入っていた



「お、美味し〜!」

「良かったわ」

紅茶を飲みながらケーキを頬張る

ここでこうしている時が、私を癒してくれる…

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