★完結★消えた同級生【玩具の女・続編】
「え…?」

「私はまだ入ったばかりの新米だったのに、ある日突然メイド全員呼ばれてね、まだ産まれて2ヶ月の赤ちゃんを前に、奥様が『そこのあなた、今日からこの子の面倒をみなさい。他の仕事はしなくてよろしい!』って。私を指差して言ったの」

「へぇ!?」

「全員唖然としてしまって!でも、奥様の言うことは絶対だったから、影で色々言われたけど私はやるしかなくて…」

「た、大変だったんだね〜」

「でも、次の年に奥様は亡くなられたの…」

「え!?」

「もしかしたら、奥様はどこかでわかっていたのかもしれないわね。自分の命が長くないことを…
だから、自分の息子にずっと長くついていられる若いメイドを、側に付けたのかもしれない…」

私は遠くを見つめるおばあちゃんを見た

「…奥様は厳しかったけど、賢い人だったから…」

そう呟いてゆっくり紅茶に口をつける

親の愛情

みんな不器用で、それでも一生懸命な生き方。

生きるって難しいなんて、いっちょ前に思ったりした
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