★完結★消えた同級生【玩具の女・続編】
夕方になり、私はタッパーを抱えて電車に乗る
緋色は今日は早く帰ってくるはず…
そんな事を考えながら窓の外を見つめた
紫色に光る空を見ながら、私は色々考えていた
高校2年の冬、泣きながら電車に乗った事
仕事の都合で遠くに行った両親の事
そして…
彼―
私の事を許せないんだろうか…
私はあの人を憎んでいないのに
ぼんやりしていると、窓に写る自分の後ろにまた蒼湖の姿が見えた
私は慌てて振り向くとそこには誰もいない…
…気のせいか…
そう思ってまた窓を向くと、そこにはやはり蒼湖の姿がある
何で?
何で今さら!?
私は思い出したのに!?
蒼湖の姿から目が離せない…
首から冷たい汗が溢れて、手が震えてきた
『どうして?あなたは私でしょ?今さら…』
俯いていた蒼湖が、ゆっくりと顔を上げる
その表情は悲しげで、今にも泣きそうだった
『蒼…』
蒼湖はゆっくりと口を開いた…